関西出身の方で初めて関東地方の葬儀に出席して驚かれた方もいらっしゃるかもしれません。地方によってはお葬式にいくつかの違いがあります。その中の一つが葬式の会場や自宅の入り口に並べられるもので、関西地方で用いられる樒(しきみ)に対して関東地方で用いられるのは花輪です。
樒とは関西・九州地方で育つ常緑樹で、香の木・香の花・香芝とも呼ばれる独特の強い香りがあります。強い香りに加えて毒性もあることから、古くから悪霊退散の意味を持っています。関西地方では樒を葬式会場入り口と祭壇の両脇の4か所に飾って葬儀会場内に結界を張ることで亡くなった方を邪気から守る風習があります。
一方関東地方で用いられる花輪は親族や親しい友人が贈るもので、故人へのご供養としての意味と会場入り口に飾ることで葬式が開かれることを知らせる意味があります。白いお花を最も多く使い、飾られる順は入り口から親族・友人・関係者となります。
そして葬儀が終わり、時候の塩梅がいい時期になるとお墓参りをする風習があります。これは日本全国同じですね。3月の春分の日と9月の秋分の日を中日として、その前後3日間を含む1週間がお彼岸の時期です。お彼岸には決められた行事がありませんが、各家庭ではお供え用のおだんごやぼたもちを作ってお墓参りをします。
お墓参りにはお供え物の他に線香・生花・掃除道具を持っていくとよいでしょう。