お葬式に参列した際、参列者は故人に向けた読経を何気なく聴いています。この時、どんな宗派のものなのか分かって聴いているでしょうか。ご家族に挨拶をして、焼香をして、くらいの僅かな時間の中でそれが分かるなんて云う方は、殆どいらっしゃらないでしょうが、参列させて戴いた際には、やはり故人のお宅が仏教でのお葬式の場合には、何宗を信仰されているかを知っておくと良いかもしれません。
読経は宗派によって様々であり、お念仏にもそれぞれ意味があるので、宗派を改めてその場で知る事で、故人の生き方や生き様を感じてより深くその気持ちに感謝したりできる事がある様に感じるからです。禅宗を信仰されている方は、やはりルーツに格式の高い家があったりして、例えばその方が経済的にはそうでなかったとしても、品のある生き方、人への接し方などをふり返った時に、ああやっぱり、素晴らしい方だったのだって事が身に滲みて感じる事ができたりもします。
最も信仰される方が多いのは、日蓮宗だと想像できますが、何故そんなに信仰が厚いのだろうと考えると、日蓮宗が仏教で初めて、現世に目を向け、全ての民に仏の救いをと説いた宗派なので、庶民がこぞって救いを求めたと云う歴史があり、やはりその方の葬儀には会葬者が多く故人の気さくな人柄を改めて知らされる気がします。聞き耳を立てる訳にもいきませんが、読経に少し意識向けて聴く事で、故人への感謝の気持ちを新たにできるのではないでしょうか。